劇団モカイコZ 維新怪奇譚「竜と怪物」

劇団モカイコZの竜馬はどこまでもありえねー!!
“坂本龍馬×人造人間”
虚実混然の物語と道具を使わず刀を体現する大胆な手法で斬り込む、モカイコ流「維新怪奇譚」堂々の幕開け!

「この手で何を成すべきか。」

とある十一月の侘しい夜。世に生を得たのは死人の手足をツギハギして造られた怪物・竜馬。土佐から脱走した竜馬は動乱の都で人間の言葉と心と剣を覚える。守るべき存在を手に入れ斬るべき敵と出会ったとき、握りしめた刀は怪物の牙となる。
強く、もっと強く、純粋すぎる欲望は自分を変貌させ、やがて時代の大きな歪みを生み出していくのだった。


【作・演出】

篠原拓夢

【出演】

早渡知利 奥堀まゆ 篠原拓夢 バイオ手塚
フランキー山本(Wキャスト:上田公演) 加藤亜紀歩(Wキャスト:松本公演)
有賀慎之助 沓掛亜梨紗

【スケジュール】

<上田公演>第0回上田街中演劇祭参加
会場:犀の角
2016年9月17日(土)〜18日(日)

<松本公演>
会場:ピカデリーホール
2016年10月1日(土)〜2日(日)


演出挨拶 (上演時パンフより)

「坂本龍馬」とググってみた。
有名な話から都市伝説まであらゆる情報が出てきたが、しかし、それらは彼の遭遇した事件や成し遂げた功績、あるいは後世の人間による憶測でしかないことに気付く。
大きな偉業が永く記録に留まることはあっても、ちっぽけな個の感情は歴史の大河に一瞬で呑まれてしまう。彼はそのとき、なにを思って日本を洗濯しようとしていたのか。それともそんな気は始めからなかったのか。いずれにしろ意図の有無にかかわらず、時代を動かすのは「運命」や「奇跡」のような曖昧模糊としたものではなく、一個人の想い、幕末っぽく言えば「志」によるものではないかと思う。たとえそれが、人の手で造られた怪物の想いだったとしても。
余談だが、歴史作家の司馬遼太郎(本名・福田定一)氏が『竜馬がゆく』を書いた際、史実の「龍馬」と区別するため、つまりは架空の意で主人公の名を「竜馬」としたという逸話があるらしい。
今作『竜と怪物』の主人公も、やはり「竜馬」だ。
あの幕末の英雄が、実は人造人間だったなどという話を、お客様が万が一にも鵜呑みにしないためである。
余談は続く。
史実によれば、龍馬は寺田屋という宿で襲撃を受けた際(寺田屋事件)に右腕を負傷し、以来その怪我を隠すように生活していたという。有名な写真や銅像が右腕を懐に入れているのはそういうわけらしい。
この話を知ったとき、隠された腕に彼の本質があるのではないかと、そんな妄想が頭をよぎった。事実はさておき、それが形を帯びて今日という日を迎える。龍馬の隠し事に感謝である。
思いのほか余談が長くなってしまったので、そろそろ筆を置こうかと思う。
「隠し事」も「書く仕事」も、余計な言葉数が少ない方がボロを出さずに済むものだ。

脚本・演出  篠原拓夢